日本話し方センター社長・横田章剛のブログ

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2020年4月6日web会議で必要な話し方とは?

新型コロナウイルスの感染拡大が止まらず、明日、緊急事態宣言が出されることになりました。

こうした事態で、在宅勤務をされている方も多いと思います。



 

在宅勤務も含めたテレワークの推進は、以前から社会全体の課題となっていましたが、

会社に来て仕事をするという、長い間続けてきた社会慣行を変えるまでの盛り上がりには欠けていました。

しかし、今回のコロナ対応で、自主的に在宅勤務を推進する会社が多いほか、緊急事態宣言によって更に多くの方が在宅勤務をせざるを得ないことになるでしょう。

 

その在宅勤務で活用されているのが、パソコンやスマートフォンを使ったWeb会議ですね。

Web会議は、参加者が同じところに集まって行うリアル会議とかなり勝手が違います。

話し方に配慮すべきことがあります。

今回はそれらについて、述べたいと思います。

 

web会議での話し方のポイントの1つ目は、発言の最初に発言の趣旨を示す「主題」を言うことです。

「提案について2つ質問があります。」

「提案に賛成できません。前提条件に疑問があるからです。」

「今のAさんの意見に賛成です。」

今からどういうことを言うのか、という主題を明らかにすることで、参加者は発言の趣旨を理解しやすくなります。

また、通信環境が悪くて発言の一部が聞き取りにくい場合でも、発言の趣旨がわかっているので大きな支障にはなりません。

この主題については、前回のブログでも触れましたので、よければお読みください。

 

2つ目は、発言を短くすること、そして、発言の最後にもう一度主題をいうことです。

Web会議では、リアルの会議と異なり、発言するタイミングがつかみにくいという問題があります。

1人の人が長時間発言していると、Web会議ではリアルの会議よりも集中力がなくなります。

発言は要点のみを端的に伝えるようにします。

また、発言が途切れたので話そうとすると、直前まで発言していた人が続けて発言するのとぶつかったりします。

なので、発言の最後に、

「以上、2つ質問しました。」

「以上により提案に賛成できません。」

「以上によりAさんの意見に賛成です。」

のように、主題を最後に述べます。

これを言うと、発言が終わったことがわかるので、他の人が発言しやすくなります。

 

そして、3つ目は、指示代名詞をなるべく使わないことです。

リアル会議では、言葉以外に参加者の表情や場の雰囲気などの情報があります。

しかし、Web会議では主に言葉しか判断する情報がなくなります。

なので、発言は誤解のないように具体的にすべきです。

「これ、それ、あれ」などの指示代名詞は、何を指すのかが曖昧だったり、聞き手によって指すものの捉え方が違ったりします。

理解の妨げになりますので、Web会議では極力使わないようにすべきです。

例えば、こういう発言があったとします。

「提案にある5日の調査期間は長いので3日にすべきだし、対象は5地域ではなく3地域でよいと思います。」

「それは違うと思います。この調査はできるだけきちんとやるべきです。」

「それは違う」の「それ」は期間、対象、その両方のどれを指しているのか曖昧です。

このように書きものにすると伝わりにくいのですが、話している際の指示代名詞は、何を指しているかわからないことが本当に多いので、注意が必要です。

 

以上、Web会議を行う際に留意してみてください。
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