日本話し方センター社長・横田章剛のブログ

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2020年3月17日話す態度や表情に細心の注意を払う

皆さん、ポケモンGOというスマートフォンのアプリをご存じでしょうか。



 

ウィキペディアによると、こう解説されています。

「スマートフォンによる位置情報機能を利用しており、それによってポケモンの出現した現実世界の場所へ移動する。

カメラでポケモンの存在を確認して捕まえたり、他のユーザーと出会ってポケモンを交換することもできる。」

2016年7月に配信が開始されてから全世界で爆発的に流行しています。

ゲームをする人が家に籠もりがちになったことを憂い、外に出て遊べるゲームができたら、という発想で開発されたものだそうです。

 

さて、このポケモンGOには様々なキャラクターが登場します。

このキャラクターを作成したエンジニアは、作成する際に細心の注意を払ったそうです。

それは、ポケモンのささいな動きひとつとっても、人間が快く思ったり、不快に思ったりするポイントが無数にあるからです。

不快に思うポイントをなるべく回避するのがクリエイターの腕の見せ所、とのことです。

 

この話を聞いて、私は「本質は細部に宿る」という言葉を思い出しました。

ポケモンGOの世界的ヒットは、こうした細かい点にまで心を配って完成させたからなのではないか、と思いました。

 

ところで、ささいな動きが人の印象に大きな影響を与える、ということは、話し方にも言えることです。

「メラビアンの法則」を聞いたことのある方もおられると思います。

メラビアンの法則とは、話し手が聞き手に与える影響力に関するもので、

① 話す態度(見た目、表情など)
② 声の調子(口調や話の早さ)
③ 話の内容

のそれぞれが矛盾するやり取りがあった場合に、どの情報をもっとも参考にしたかを明らかにしたものです。

例えば、怒った顔、怒った口調で「ありがとう」と言った場合、一般的な感覚では、この人は怒っているな、と思いますよね。

この法則では、人は話す態度は55%信頼され、以下、声の調子が38%、話の内容は7%ということでした。

つまり、いくらいい話をしても、細かく体が動いていたり、無表情だったりすると、聞き手はいい印象は持ってくれない、ということです。

また、いくら心を込めた言葉を言っても、その声に感情がこもっていなければ、相手は「本当かな?」と思ってしまうのです。

 

しかし、多くの人は、見た目や表情を意識せずに話しているように感じます。

また、普段、表情や見た目を意識している人も、ある瞬間、いい印象を与えない態度・表情になることもあります。

それは、自分の話す態度や表情を、他の人はいつも見ているのに、唯一、自分だけが見ていない、ということに原因があるように思います。

なので、時々は、自分の話す姿や表情をスマートフォンなどで録画してチェックするとよいでしょう。

 

ポケモンGOのキャラクターが、人々に快適にプレイしてもらうように細心の注意を払って作られているように、私たちも、話す際の態度や表情、声の調子には細心の注意を払いたいものです。
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