日本話し方センター社長・横田章剛のブログ

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2021年1月16日過去のエピソードから自分を再発見する

日本話し方センターのベーシックコースでは、どの教室でも同じカリキュラムで講義を行いますが、ワークなどは、講師毎に独自のものを実施しています。

ある講師は「1分間スピーチ」というワークを行っています。

これは、講師がその場で出したテーマについて、即興で1分間のスピーチをする、というものです。

テーマは、「私が好きな季節」や「今持っているボールペンについて話す」など、シンプルなものです。

これを繰り返し行うことで、人前で話すことに慣れるとともに、話の材料を即興で探し、組み立てる訓練にもなります。

さて、先日の教室で講師から出されたテーマは、「子供の頃に好きだったもの」というものでした。



私は、受講生ではないのでスピーチはしないものの、このテーマを聞いたとき、「私だったら、何を話すかなぁ・・・」と考えて見ました。

ところが、自分でも驚いたことに、しばらく考えても、これ、というものが浮かんできません。

私は現在60歳です。

子供の頃の記憶は段々と薄れてきています。

そのせいか、つまらないことは思い出しますが、「そうそう、これ!」というものはすぐには出てきませんでした。

でも、子供の頃の話なので、ネタは確実に私の中にあるはずです。

「よし、10分間、真剣に考えてみよう!」

そう決めて思いだしてみると、案の定、次第に色々なことが思い出されてきました。

「日が暮れるまでソフトボールの練習をしていた」

「暇があればよく鉄道時刻表を見ていた」

「春には田んぼで、きれいな夕日を見ながらレンゲの蜜を吸った」・・・

私は、この時、「ああ、私は自分のこと、まだまだわかってなかったなぁ。自分のネタ探し、してなかったんだなぁ」と思いました。

 

子供の頃、中学・高校の頃、大学の頃、それ以降の各年代でのエピソードや好きだったことなどの記憶を呼び覚まして、いつでも取り出せる様にしておけば、もっともっと自分のことが語れるはずです。

話し方教室では、話のネタを、体験談や見たもの、聞いたもの、読んだものから探しましょう、とお伝えしています。

それに加えて、上に書いたような、自分の中に隠れているエピソードやその時に感じたことなどを掘り出して、まとめておく。

そうすれば、より自分のことが具体的に理解できます。

この際に注意いただきたい点があります。

それは過去の一場面を切り取る、ということです。

自分がこういうことをしたときに、相手はこういう態度を示した、それに対して自分はこのようなリアクションを取った、など、具体的に思い出して整理して欲しいのです。

それは、自分の特性などは一瞬の言動に如実に表れるからです。

その一瞬の言動を捉えれば、非常に具体的に自分の特性を捉えることができるのです。

このようにして自分の特性をより深く理解すれば、それを意識してよりよい人間関係を築いていくことができます。

そしてそれを就職面接などの場で活かすことができ、どんな質問にも答えられるようになるでしょう。

また、人生における様々な岐路で、悔いのない判断ができるでしょう。

皆さんも、ご自身が経験されてきたエピソードの一場面を思い返して、まとめてみてはいかがでしょうか。

 

日本話し方センターではよい人間関係を作る話し方をお伝えし、トレーニングをしています。

その際に自己認識をとても重要視しています。

ぜひベーシックコース2日間集中セミナーを受講して、ご自身を再発見してください!
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