日本話し方センター社長・横田章剛のブログ

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2020年9月25日話の場面転換に気をつけよう

先日、自宅に保険を勧誘する電話が入りました。

「もしもし~、わたくし、〇〇生命の伊藤と申します~。本日は弊社の新しい商品のご紹介をいたしたく、お電話いたしました~。弊社の~」

と矢継ぎ早に言葉を繰り出し、私に「はい」とか「あの~」と言ういとまを全く与えません。

結局、5分ほどマシンガンのように話して間が空いたので、「今、保険を検討するつもりはありませんので。」と言いました。

しかし、「そう仰る方が多いんですよね~、でもっ、弊社の新しい商品は~」とまた説明が始まります。

こういう電話を途中で一方的に切るのはとても勇気がいりますね。

失礼なことはしたくない、という気持ちもあり、さらに2~3分話を聞くことになりました。

その後、検討するつもりはないことをもう一度告げてようやく電話を切りました。



話が長いとオンラインでもリアルでも聞きづらいですね。

そもそも内容がちっとも頭に入ってきません。

長い話に関する改善策として、以前、「一文を短くする」という記事を書きました。

一文を短くして話すと、文と文の間に短い沈黙の時間である「間」が取れ、その沈黙の時間に聞き手は聞いた話を味わうことができます。

また、聞き手に質問や意見があればそれを言うタイミングができます。

 

ところで、長い話がわかりにくい要因に、話の場面が変わっているのに、それを一文でダラダラと話してしまうことがあげられます。

「昨日近所のスーパーに行ったら、おじいさんが突然『責任者を呼べ!』って怒りだしたんだけど、すぐに店長が飛んで来ておじいさんの話を聞いて新しい商品を渡したら、おじいさんは『もういい!』って帰って行ったの。」

こういう話をする人、多いのではないでしょうか。

この話は場面がどんどん変わっているのに、一文で次々に話をしています。

文章で読むと理解できますが、これを早口で話されると、聞き手は話の場面の展開について行けず、理解できないということになります。

従って、場面が次々に変わる話でも場面毎に一文にする、ということが大切です。

 

「昨日近所のスーパーに行ったの。」(聞き手:うんうん)

「そうしたら、おじいさんが突然『責任者を呼べ!』って怒りだしたの。」(聞き手:あらまあ!)

「すぐに店長が飛んできておじいさんの話を丁寧に聞いてたわ。」(聞き手:うんうん)

「そしておじいさんに新しい商品を渡したの。」(聞き手:不良品があったのね)

「そうしたら、おじいさんは『もういいい!』って言って帰ってしまったの。」(聞き手:いったい何だったんだろうね)

上のように聞き手は場面毎に一文に区切ることで、一つひとつの話をきちんと理解し、頭の中でリアクションを取ることもできます。

 

一方的に話をする場合でも、聞き手の頭の中で双方向のやり取りになっていると、話はとても聞きやすくなります。

そのためには、話の場面が転換することを意識して、一文ずつ区切って話すことがとても大切です。

 

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