日本話し方センター社長・横田章剛のブログ

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2020年2月4日言いたいことは1つに絞る


日本話し方センターの話し方教室には、話しベタで言葉が出てこない、という方が受講されます。

一方で、次々に話すことが浮かんでそれをそのまま話してしまうので、

「何が言いたいのかわからない」

と人から言われてしまうという方も受講されます。



先日の話し方教室の2日間集中セミナーでも、そういうお悩みをお持ちの方がおられました。

仮にYさんとしましょう。

Yさんは、日常会話では、ポンポン話が出るので盛り上がるそうです。

しかし、人前で話す時も日常会話と同じように頭に浮かんだことを話すので、話が長くなり、聞いている人がポカンとした顔をすることもあるとのことでした。

セミナーの最後には、このセミナーで学んで得たことを2分間のスピーチにまとめて話していただきます。

Yさんは、そのテーマを決める際にも、あれも言いたい、これも言いたい、と5~6個の項目を並べて悩んでいました。

「でも、これを全部話すと10分かかりますよ。この中で一番心に深く残っていることは何ですか?」

私がこのように問い掛けると、Yさんは、

「ん~、一番大きな学びならこれですね・・・

言いたいことを1つに絞って短くまとめることです。

あっ、まさに、今の私に一番必要なことでしたね!」

これに気付かれたYさんは、その後、すぐにスピーチ原稿を作って練習されました。

全員の前でのスピーチも短く、わかりやすいものでした。

 

話し方教室ベーシックコースでも、講座が始まった頃のスピーチでは、2分間の話の中に2つ以上の言いたいことを盛り込む人が少なくありません。

話すことを1つに絞る、ということは、我々が思っているほど簡単ではないようです。

1つに絞るための要素として「相手のことを考える」ということがあります。

一般に、人は、聞き手のことはほとんど気にしないで、自分が話したいように話をします。

しかし、特にスピーチの場合は、複数の人の前で話をします。

つまり、その人達の時間を頂戴して話をするわけです。

であれば、その時間を有効に使って、自分の伝えたいことを聞き手にきちんと理解してもらわないといけません。

2分間で聞き手に話を理解してもらうためには、テーマは1つに絞り、そのテーマに必要なことだけを話さねばなりません。

特に、以前のブログでも書いたように、前置きを長く話してしまうことが多いので、注意が必要です。

1つのことを2分間で話すことを意識し、できるようになると、3つのことなら6分間で話すようになります。

3つのことをゴチャゴチャ、と話すのではなく、個条書きのように話せるようになると、論理的で聞き手に理解してもらい易くなります。

話が長い、といわれる方は、1つのことに絞って、それを理解してもらうのに必要なことだけを話すようにしてみてください。
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