日本話し方センター社長・横田章剛のブログ

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2020年9月11日結論から先に言ってはいけない場合がある

 

★結論から先に言う


「結論から先に言ってください」

社会人であれば、このフレーズを聞いたことがない、言われたこともない、という人はいないでしょう。

特に上司に報告する場合に、この言葉はよく聞かれるのではないでしょうか。



確かに、結論を言わずに細かい事情説明などをされると、相手は結局何が言いたいのか分からず、かなりストレスに感じてしまいます。

結論を先に聞けば「ああ、そういうことが言いたいのか」と安心して詳しい話を聞くことができます。

 

★結論から言っても伝わらない場合がある


ところで、場合によっては結論から言わない方がいいことがあるのですが、どういう場合だかご存じですか?

一般に我々が仕事の中で話をする場合、「結論」-「理由」-「事実」という構造で話をします。

結論から話す場合は、例えばこんな感じです。

 
◎結論から話せば良い例

【例1】商談の結果を上司に報告する場合

・今日のA社との商談はうまくいきました。[結論]
・先方の部長が私たちの製品をとても気に入ってくれたんです。[理由]
・やはり製品Pが他社製品に比べてランニングコストが半分ということが決め手になりました。[事実]

結論から話しているのでわかりやすいですね。

 
◎結論から話さない方がよい例

しかし、こんな場合は上のような順番で話すのは得策ではないかも知れません。

【例2】初めての見込客に結論から話す場合

・私たちの製品Pの購入をご検討ください。【結論】
・製品Pは多くのお客様から大変好評を頂いています。【理由】
・何しろ製品Pはランニングコストが他の製品の半分で済むのです。【事実】

何となく押しつけがましい感じがしますね。

 
◎事実から話すと良い例

では、順番を逆にして、「事実」-「理由」-「結論」で話すとどうでしょう。

【例3】初めての見込客に事実から話す場合
・私たちの製品Pはランニングコストが他の製品の半分で済むのです。【事実】
・このため製品Pは多くのお客様から大変好評を頂いています。【理由】
・ぜひ製品Pの購入をご検討ください。【結論】

上の【例2】よりは受け入れてもらいやすいですね。

 

★場合によって話す順番を変える


結論から話すべきかどうかは、相手が自分と同じ認識レベルにあるかどうかで変わってきます。

【例1】の場合は、上司はその報告事項の背景やこれまでの経緯などはわかっています。

つまり上司と部下とは同じ認識レベルを持っているわけです。

上司が知らないのは商談の結果だけですので、こうした場合は結論を先に言わなければなりません。

 

一方、【例2】の場合、初めて製品を紹介する相手は、我が社の製品のことは何も知りません。

私と相手との製品Pに対する認識レベルは全く合っていないわけです。

こうした場合には、【例3】のように、事実や理由などをきちんと述べて、まず相手と私の認識レベルを合わせることをせねばなりません。

そしてその後に結論を述べれば、相手にはわかりやすい話になります。

 

★コミュニケーションは『相手ありき』


結論から先に言うべき場合と、結論は最後に言った方がよい場合についてお話しました。

双方に共通していることは、相手が知りたいこと、相手に知って欲しいことから肉厚に語る、ということです。

コミュニケーションはすべて『相手ありき』です。

『相手ありき』で考えると、どの順番で話せばいいかも判断できるのです。

 

★話し方を基本から学びましょう!


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