日本話し方センター社長・横田章剛のブログ

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2021年12月5日相手に納得してもらえる話し方のコツとは?

日本話し方センターでは、短期間に話し方を改善したいという方のために、2日間集中セミナーオンライン短期集中トレーニングコースを開催しています。



これらのセミナーに参加される方の解決したい課題で一番多いのは「人前で話すとあがってしまい、思うように話せない」ということです。しかし、それ以外にも次のような課題を持っている人も数多く受講されています。
他の人から話がわからないと言われる
話しているうちに自分でも何の話をしているのか分からなくなる

セミナーでは話し方に関する講義を行った後、2分間のスピーチトレーニングを行います。まず受講生自身でスピーチ原稿を作成してもらい、講師がそれにアドバイスしてわかりやすく伝わる話にしていきます。
先日のセミナーで、ある受講生が自分で作成したスピーチ次のような内容でした。

・部品の設計をして製作会社に渡した
・するとその設計に誤りがあることがわかった
・職場の先輩に助けてもらって設計をし直した
・その結果、何とか製作に間に合い大事にならずにすんだ

もし皆さんの職場の朝礼で、誰かがこのようなスピーチを話したとしたらどうでしょうか? 話の概要は何となくわかるものの、聞いた後にかなりモヤモヤした感じが残るのではないでしょうか。

セミナー受講生が作成する最初のスピーチ原稿は上のようなものがとても多いのです。なので、上の例の改善ポイントを解説することで、わかりやすい話をするコツもご理解いただけると思います。今回はその改善のポイントについてお話します。

1つ目は、必要な部分を具体的に話す、ということです。
私はこの話を聞いたときに、次のような質問をしました。
・何の部品ですか?
・どういう誤りがあったのですか?
・その誤りはどうして発覚したのですか?
・その誤りはどれほど重大なものだったのですか?
・その誤りを起こした原因は何ですか?
話は言いたいことを簡潔に話さねばなりません。私が質問したような具体的なことが抜けていると聞いている人は「何の部品だろう?」「どういう誤りだったんだろう?」ということが気になってしまい、頭の中がそのことに支配されて後の話が聞けなくなってしまうのです。従って、聞き手が疑問を持ちそうな部分は具体的に話さねばなりません。

改善点の2つ目は、この話で何が伝えたいのか明確にする、ということです。
上の話は事実を時系列で説明しているだけで、だから何が言いたいのかが不明です。この受講生にそれを確認したところ、自分でもそれがはっきりしない、ということでした。何が言いたいのかを見つけるヒントは、上の挙げた私の質問の「なぜそういう誤りをしたのか」にあります。原因が「思い込みがあり確認しなかった」のなら、言いたいことは「思い込みには注意しよう」になります。また、原因が「自分の知識不足でそれが誤りだと気付けなかった」のなら、言いたいことは「他の専門家のチェックを受けよう」になるでしょう。このように誤りの原因が明らかになれば、言いたいことははっきりしてきます。

3つ目は、自分の気持ちをきちんと話す、ということです。
自分の気持ちや考えを話すことで聞き手に共感してもらえ、話が伝わったということになります。この気持ちには2種類あります。誤りがあることがわかった時点の気持ちと、今この出来事を振り返って思うこと、の2つです。これを話すことで聞き手が共感でき、また話し手の人柄も伝わってくるので聞き応えある伝わりやすい話になります。スピーチでもビジネストークでも案外抜けているのが自分の気持ちを話す、ということですので注意が必要です。

さて、この受講生は私や講師のアドバイスを素直に受け入れて、上の3つを入れた話にしてくださいました。その結果、とても聞き応えのある話になりました。さらに、自分でもわかりやすい話ができている、という感覚があるので声も大きく堂々とした話し方に変化していました。

話が分かってもらえない、というお悩みの方はぜひ上に述べた3つのポイントを意識してみてください。

日本話し方センターのベーシックコース2日間集中セミナーオンライン短期集中トレーニングコースでは、相手が納得できる話し方ができるよう受講生お一人おひとりに応じたアドバイス、ご指導を行っています。

ぜひご受講をご検討ください!
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