日本話し方センター社長・横田章剛のブログ

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2022年5月14日相手に伝わるプレゼンをするための極意とは?

 

日本話し方センターの話し方教室の受講生には、もっと上手くプレゼンテーションをしたいという方が少なくありません。プレゼンは、その後に「よくわかったよ!」「何か緊張してましたね」など、必ず人に評価されることが一般的です。なので、余計に緊張してしまいます。そうした緊張を和らげながら、相手に伝わる話し方ができると理想的ですね。今回はそのためのポイントを4つお伝えします。



★聞き手の方を見て話す


1つ目のポイントは、話す時は必ず聞き手の方を見る、ということです。
原稿や投影資料をずっと見ながら話をするのは、単なる読み上げであり、プレゼンではありません。プレゼンの目的は、話を理解してもらった上で、聞き手の心を動かすことです。ずっと聞き手を見ずに話をしていたのでは、聞き手は自分に向けられたメッセージだとは絶対に思いません。その結果、どんなに分かり易い話をしても、聞き手にとっては自分とは関係のない、心に響かない話になってしまいます。原稿を見る時には話す内容を目だけで確認し、話す時には原稿から目を上げることが大切です。目線は常に聞き手に向けることを心がけてください。


★聞き手の反応を見ながら話す


2つ目のポイントは、話した後の聞き手の反応を見る、ということです。
上に述べたように、プレゼンは聞き手の心を動かすことが目的です。そのためには、話をしながら聞き手の反応を確認せねばなりません。同じことを伝えるにしても、聞き手に合った話し方やストーリー、例話があります。例えば、若い世代に松下幸之助の話をしても、ほとんどの人が松下幸之助を知らないので、なかなか共感してもらえません。今の話が聞き手にフィットしているのか、常に確認する必要があるのです。聞き手を観察して、うなずくなど、熱心に聞いているそぶりの人が多い場合は、今のプレゼンでよいでしょう。しかし、首をかしげたり、話に集中できていない様子の人が多い場合は、話の仕方や説明のロジックを変える必要があります。もちろん、これを臨機応変に行うにはそれなりの準備や経験が必要です。しかし、まずは、話しながら聞き手の反応を見る、ということを習慣づけることが重要です。


★一文を短くして「間」を取る


3つ目は、一文を短くして、話と話の間に空白、つまり「間」を入れる、ということです。
マシンガンのように矢継ぎ早に早口でプレゼンする人がいますが、そうした話を聞き手は充分に吸収できません。話をする場合、聞き手がその話を理解する時間を作ってあげねばなりません。そのためには、まずきちんと理解できるように、一文を短くする必要があります。そして、その一文を理解する時間を確保するために、話し終えた後、しばらく黙ります。その間に、聞き手の反応を見るのです。


★資料をきちんと読み上げる


4つ目は、用意した資料はきちんと読み上げる、ということです。
中には、せっかく用意した投影資料を読み上げずに、いきなりその解説をする人がいます。多分、自分は何が書いてあるのかわかっているので、それを単に読み上げるだけでは価値がない、と思ってしまうのでしょう。しかし、聞き手はその資料を初めて見るので、何が書いてあるのか知りません。書いてあることと違うことを話されると、読めばいいのか、聞けばいいのかわからなくなってしまいます。用意した資料の内容はきちんと読み上げた上で、その解説を行うべきなのです。


以上、いくつかプレゼンのポイントを申し上げましたが、これらは頭で理解してもなかなか実践できません。ぜひ意識しながら場数を踏むでください!

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