日本話し方センター社長・横田章剛のブログ

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2022年5月8日相手にハッキリと伝わる話し方の極意とは?

 

★お話しの上手なお医者様



私は数年前に心臓のバイパス手術を受けました。


 

動脈硬化で心臓の血管が75%詰まっている箇所が発見され、その血管を広げるために極小のステント(金属製の網)を血管内に設置する手術を受けたのです。それからは3ヶ月ごとに病院に行って血の流れが悪くなるような症状が起こっていないか検査してもらっています。血液検査や心電図検査などを行い、その結果を主治医のY先生から伺います。その際、Y先生は「横田さん。結論から言えば、パーフェクトですね。100点満点です。すごくいいですよ~」と言ってくれます。この言葉を聞くと、私はいつも心から安心できるのです。それとともに「Y先生のお話の仕方は本当に上手だなぁ~」と、とても感心しています。
 

★上手い話し方のポイントは2つ


私が、Y先生のお話の仕方がお上手だなぁ、と思う点は主に2つあります。
 

◆知りたいことを真っ先に言う

1つ目は、Y先生が、私が知りたいことを真っ先に言ってくれることです。上の例でも「結論から言えばパーフェクトです。」と、私が知りたい検査結果をまず教えてくれます。お医者様の中には、「悪玉コレステロールの数値が少しよくないですが、まぁ、許容範囲内でしょう。血圧は問題ないですね・・・。その他も特に引っかかるところはないようです。まぁ、全体的に問題はないのではないでしょうか」などと、数値の解説などを先に言い、私が聞きたい結果は最後に言う、という人が少なからずいます。こういう話し方では聞き手はかなりじれてしまいます。日本話し方センターでは、まずどういうことが言いたいかを短い言葉で言いましょう、と受講生に伝えています。Y先生は結論を真っ先に話してくれるので、患者は安心してお話を聞くことができるのです。
 

◆はっきりと言い切る

2つ目は、曖昧な言い方はせず、はっきりと言い切ってくれることです。「まぁ、問題ないと思いますよ」や「今のところ問題はないんじゃないでしょうか」といった言い方ではなく、Y先生は「パーフェクト、100点満点です」と言い切ってくれます。この話し方に聞き手はとても勇気づけられます。私たちは、意見や考えを言う場合、この「言い切る」ということが、とかく苦手です。言っていることに間違いがあるかも知れない、と思って少し言葉尻を濁してしまう。また、これ以外にない、という自信が今一つ持てないので、「と思います」という言葉をつけてしまう。何れにしても、言い切るのが恐い、という感覚があるのは間違いありません。

しかし、相手の信頼を得よう、納得してもらおう、と思うなら、思い切って「言い切る」ことはとても大切です。話し方教室では、スピーチの最後を言い切りましょう、とお伝えしています。「私はこれからも常に相手のことを考えていきたいと思います」ではなく「私はこれからも常に相手のことを考えていきます。」と言った方が意思の強さをストレートに感じることができます。また、「私は今後は人の悪口は言わないようにしたいと思います。」と言われると、聞き手は「結局また言い始めるんじゃないかなぁ」と思い、半信半疑な気持ちになってしまうでしょう。これを「私は今後、決して人の悪口は言いません」と言えば、聞き手は「おっ、言い切ったな。本当にそう思っているんだな」と思ってくれるはずです。言った本人も、自分の言い切った表現に背中を押されて、「よし。悪口は絶対言わないぞ」と思いを新たにできるでしょう。
 

★話し方を学びましょう!


日本話し方センターの各コースでは、言い切ることをはじめとして、相手に伝わる効果的な話し方を受講生一人ひとりに相応しい形でご指導しています。その効果は多くの受講生に実感いただいています。ぜひ「受講者の声」をご確認ください!
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