日本話し方センター社長・横田章剛のブログ

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2021年11月23日相手が戸惑わないよう話の流れを大切にしよう!

私は1年前にtwitterを始めました。このブログに書いたことを短くしてつぶやいたり、日々気がついたことや話のネタになりそうなことつぶやいています。興味のある方はぜひこちらをご覧ください。



少し前のことですが、私がフォローしている人が次のような投稿をされていました。
「娘のインナーはタグが外側についてる。普通は内側についてるよね。
なんで外側についてるかって言うと内側だとチクチクして子どもが気にしちゃうかららしい。
インナーだから外側についてようとも隠れるし。
「普通は」なんて固定観念を持っているところにこそニーズは隠れているかもね。」

「本当にその通りだなぁ」と、とても共感しました。インターネットが普及してから世の中はめまぐるしく変化しています。そのような現代において「常識」とか「普通」ということはどんどん少なくなっていると感じています。ところが年齢を重ねるとそうした変化に鈍感になり、いつまでも以前の常識が通用すると思ってしまいます。

日本話し方センターの各コースでは20代、30代の受講生が多いです。そういう人と話していると、自分の今までの概念が通用しないな、と思うことが時々あります。そのため「普通は」とか「今までこうだから」という観念は極力持ってはいけない、と常々思っていました。なので、このツイートには心から共感できたのです。

そして共感すると同時に「これを話し方に置き換えてみると逆のことが言えるな」ということにも気付きました。
人は話を聞いている時、ある程度予測をしながら聞いています。「そして」という言葉を聞くと「この後、今話したことの続きを話すんだな」と考えます。「ところが」と聞くと「これから今の話と反対の話をするんだな」と推測します。これは、私たちが持っている共通認識や話す上での常識をもとにして話を理解しているプロセスと言えるでしょう。従って、話をする人は相手が推測するとおりに話をすると、相手はストレスを感じることなく話を理解することができます。逆に、相手の推測に合わない話し方をしてしまうと聞き手は混乱してしまい、その後の話が聞けなくなってしまうので要注意です。

相手の推測に合わない例を幾つか挙げてみましょう。
①「私はその人の話にとても感動しました。この人にはついて行けないな、と思ったんです」
(聞き手:「えっ? 感動したのならついて行こうと思ったんじゃないの?」)
②「私は魚が食べられません。なぜなら、えっとぉ、小さい頃からそうで、食べられないのです」
(聞き手:「ん? どうして食べられないのかな?」)
①は、いうべきことを飛ばして話した例です。「話に感動したけど、私とは考え方が合わないなと思った」ということを飛ばして話しています。また、②は途中で話を変えた例です。「なぜなら」という言葉を聞いた人はその後に「~だからです」という言葉を待っています。しかし、②の話し手は「なぜなら」と言ってから気が変わって、小さい頃からずっと魚が食べられなかった、という話をしてしまったのです。

日常ではよくこうした相手の推測した文脈に合わない話し方に実によく遭遇します。聞き手の立場になって、聞き手が安心して推測できる話し方を心がけましょう。

日本話し方センターのベーシックコースでは、滑舌や声のトーン、表情とともに話の内容や順番なども丁寧にご指導しています。ぜひ一度無料体験教室にお越しください!
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