日本話し方センター社長・横田章剛のブログ

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2021年4月13日物事を分けて考えよう!

少し前、外出時に少し時間があったので、スターバックスでパソコンを開いてメールの確認などをしました。

その際、私の近くの席の2人が仕事の打ち合わせをしていました。

近くなので聞こうとしなくても話が耳に入ってきます。

どうも、今日の午後に取引先に資料を提出しないといけないが、まだその資料ができていない、ということのようでした。

部下「このままでは先方とお会いしてもたいした話ができないと思うのですが・・・」

上司「で、君はどうしたいの?」

部下「そうですね・・・資料を作成するには幾つか確認しないといけない数字もありますし・・・」

上司「じゃあ、その数字をください、と先方に伝えて今日の打ち合わせは中止にすればいいんじゃないの?」

部下「でも、その数字をもらっても、分析に時間がかかりますし、ちょっと・・・」

と、このようなやりとりが延々と続きました。

この短い会話でもおわかりのように、この部下の人は物事の整理が全くできないまま上司に話をしています。

相談というレベルにもなっていないな、と感じました。

 

しかし、このように何が言いたいのか、どうしたいのかわからない、という話をする人は少なからずいます。

この部下の人は、きっと

「今日、取引先に提出する資料ができていない。どうしよう・・・」

という焦りから頭がいっぱいになり、思考が停止しているのでしょう。

ビジネスコミュニケーションは、論理的に考えることで成り立っています。

この部下の方は、論理的に考えることが出来ていない典型でした。



では、論理的に考えるには、どうしたらいいのでしょうか。

そのスタートは、物事を分けて考えることです。

この部下の人のこの仕事を行う場合、次のようなことを考えるべきです。

・今日どのレベルの資料を作れば打ち合わせに提示できるのか

・その資料は打ち合わせまでにできるのか

・できない場合、今日の打ち合わせは延期できるのか

・延期できるとして、いつまで延期できるのか、それまでに資料は作成できるのか

・作成できない場合、それを作成するために必要なものは何か、数字か、作業時間か、作業人数か

このように、これからやるべきことをプロセスに分けて考えれば、上司も一緒になって対応を考えられたことでしょう。

 

この例ではプロセスを分けましたが、論理的に考えるための分け方にはもっと色々な切り口があります。

例えば、「この施策を行うメリットは何か?」というテーマで議論するします。

こうした場合、往々にして誰のメリットかを考えずに議論をしてしまいがちです。

まず、その施策に関わる人、つまり自社、他社、お客様、社員などに分けて、それぞれのメリット、デメリットを考えてみる。

考えているうちに、お客様も、既存のお客様、新規のお客様というように分けた方がより具体的な議論ができることに気付けるでしょう。

同様に、他者も直接的な競合他社と、間接的な競合他社に分けることができます。

ちなみに、直接的な競合とは、自社が牛丼チェーンであれば、他の牛丼チェーンがそれに当たります。

一方、間接的な競合とは手軽に食事が取れるという提供価値に着目すれば、ファミレス、コンビニ、立ち食い蕎麦チェーンなどがそれに当たります。

このように、物事を分けることが、論理的に考える出発点になります。

ぜひ物事を分けて考える、ということを常に意識してみてください。
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