日本話し方センター社長・横田章剛のブログ

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2021年1月18日朝礼のスピーチを指名されたら!

あなたは、来週の係の朝礼で3分間スピーチをするよう上司から指名されました。

さて、あなたはどうしますか?



望ましいのは、日頃から朝礼や日常の雑談で話せるネタを集めておくことです。

しかし、なかなか普段からそういう準備はできないとすれば、スピーチを指名されたときからネタを探すことになります。

では、どのように話のネタを探したらよいのでしょうか?

一番話しやすいネタは「自分の体験」です。

なぜなら、自分が体験したことなのでストーリーはしっかりと頭に入っているので言葉に詰まることは少ないし、その時の感情などを思い出すと自然に熱の入った話になりやすいからです。

しかし、スピーチが決まってから自分の過去の経験を思い出しても、なかなか、これだ!と思えるものを思いつくのは難しいでしょう。

となると、やはりインターネットで検索したものをネタにするのが一番手っ取り早そうです。

 

ということで、インターネットで検索した結果、面白そうな記事を見つけたとしましょう。

ここでは、「アナログレコードの生産量がこの10年で10倍になった」という記事を例に取り上げます。

「小さい頃によく聞いていたアナログレコードがまた復活してきたのか、ふ~ん、何だか懐かしいなぁ。」

と思い、これをスピーチのテーマにできないかな、と少し心が動きます。

では、あなたはこれをどのようにスピーチにまとめますか?

自分の思い出話だけではなく、何か気の利いたことを言わないとスピーチにはなりません。

多くの人はこうした記事を見ても、レコードの生産量が10倍になったという事実だけ読んで終わっています。

しかし、スピーチのネタにするならば、なぜ生産量が増えたのか、という理由を理解する必要があります。

記事にはその理由が次のように書かれていました。

・デジタルよりも柔らかな音質を好む人が増えている

・レコードのジャケットをインテリアとして活用している

・同じ曲をダウンロードできるコードをつけて販売している

さて、ここからが勝負です。

「話すこと」は「考えること」です。

これらの理由から一つ取り上げて、それを解釈して自分なりの意見を考えるのです。

例えば、ダウンロードができることに目をつけたとしましょう。

レコードは柔らかい音質が特色ですが、反面再生に手間がかかり、何よりもその楽曲を家でしか聴けないことが欠点です。

ダウンロードできるのであれば、デジタルベースの音源を持ち出して外で楽しむことができます。

家に戻ればより素晴らしい音質のレコードで楽しめます。

レコードの音質だけにこだわった販売だと思いつかない方法で売上を伸ばしているんだな、と考えます。

そうすると、他の商品やサービスでも、その強みにこだわるだけでなく工夫によって弱点を補って販売数を伸ばすことができるのではないか、という結論が出てきます。

これなら、スピーチとして成立しそうですね。

 

ここまで考えたらスピーチの構成を考えます。

・レコードの生産量が10年で10倍になったという記事を見た

・古いものを懐かしむ人たちが買っているのかな、と思った

・ところが、その曲をダウンロードできるコードをつけて売っていることが理由の一つだと知った

・レコードの音質という強みにこだわりながら、外に曲を持ち出せるというポータビリティも持たせた販売戦略は素晴らしい

・工夫をすれば弱点を克服しながら強みを伸ばせるのだと学んだ

・このような柔軟な発想を自分も身につけられるようにしたい

この話なら3分以内に収まりますし、聞いている人にも納得してもらえるでしょう。

このように、話の材料をみつけたら、その材料を解釈して自分なりの意見を考えることがとても大切なのです。

 

日本話し方センターの話し方教室では、話の材料の見つけ方や、話の組み立て方など話し方全般についてご指導しています。

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