日本話し方センター社長・横田章剛のブログ

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2021年11月29日固有名詞や数字で、わかりやすい話にしよう!

日本話し方センターのベーシックコースでは、無料で教室の様子を見学できる無料体験教室を行っています。1回分の講座2時間をそのまま見学いただけます。先日その無料体験教室に参加された方から、
「受講生の皆さんのスピーチを聞いて、皆さんお上手だなぁと思いました。ところで、多くの人が話の中で固有名詞を言っていたのですが、講師はそういうアドバイスをしているのですか?」という質問を受けました。



私は、こういう質問をすること自体、とても素晴らしいことだと思います。というのも、この方は問題意識を持って見学されたことがこの質問で分かるからです。何かを学ぶ場合、教えてもらえる、与えてもらえる、というスタンスの人が少なくありません。確かに受験勉強や法律や会計などの知識系の勉強であれば、教えてもらうことで必要な知識は得られるでしょう。しかし、話し方やコミュニケーションの取り方は知識ではなくスキルです。スキルは、単に教えてもらったことを覚えるだけでは身につきません。スキルは「分かる」「知っている」ではなく「できる」ことが必要なのです。教えてもらったことを繰り返しトレーニングをして自分に合う形で体に覚えさせる必要があります。そして、そのためにはどうすれば自分のものにできるだろう、という問題意識を持つことがとても大切なのです。
この点、上の質問をされた方は教室の見学を受け身ではなく、問題意識を持ってご覧になったのだと思います。そのスタンスは素晴らしいと思いました。

さて、話を質問に戻しましょう。この方が気付かれたように、ベーシックコースでは必要に応じて話に固有名詞を入れてください、とアドバイスしています。それは話を具体的にするためです。では、なぜ話は具体的でなければならないのでしょうか。それは、聞き手が頭の中で話の内容をイメージできるようにするためです。頭の中でイメージ化できる話は聞き手にとってとてもわかりやすい話なのです。

例えば「この会社は大手電機メーカーの子会社なので信用できます」と言われても「大手だからと言って本当に信用できるのかなぁ・・・」と思う人もいるでしょう。大手電機メーカーという表現は抽象的なのです。
これを「この会社はパナソニックの子会社なので信用できます」と固有名詞で話をされた場合どうでしょうか。
・そう簡単には潰れないだろう
・子会社の取引にも責任を持ってくれるだろう
・それなりの人財を親会社から派遣しているかも知れない
など、大手電機メーカーという抽象的な表現では得られない具体的なイメージが得られます。

話を具体的にするには、固有名詞以外に数字を入れることもとても効果的です。
「私の家は駅の近くです」と言うよりも「私の家は駅から歩いて3分の所にあります」「私の家は駅から100メートルの所にあります」と言われた方が、具体的なイメージが持てます。それ故に納得しやすくなります。話が分かりにくい、と言われる人の話は抽象的な話になっていることが多いのです。そういう方はぜひ固有名詞や数字を話に入れることを意識してみてください。

日本話し方センターのベーシックコースでは、具体的に話すという他にも、わかりやすい話し方の様々な秘訣を、講義や実習を通してお伝えしています。ぜひ一度無料体験教室にお越しください!
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