日本話し方センター社長・横田章剛のブログ

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2020年8月2日体験談を交えて共感を得る

昨日、話し方教室の受講生のTさんからある相談を受けました。

Tさんはある会社で接客を担当している部門に所属しているそうですが、コロナ感染拡大で出勤が少なくなり、その代わりオンライン会議で勉強会を頻繁にやっているとのことです。

その勉強会で、Tさんが5分程度の発表をすることになりました。

テーマは、接客に関する本を読んでその感想を述べる、というものです。

「本は読んだのですが、この200ページほどある内容を5分で話すのにはどうしたらいいか全然イメージできないんです。どうしたらいいですか?」

本を読んでその内容について発表する、ということは多くの方が経験されていると思います。

皆さんなら、Tさんにどういうアドバイスをされるでしょうか?



 

この相談を受けて私がまず考えたことは、この勉強会の目的は何だろう、ということです。

接客部門の勉強会ですから、お客様にどのように接するべきか、サービスをどのように提供すべきか、ということを学ぶことが目的でしょう。

では、この「学ぶ」というのは具体的にどういうことか。

私は常々、研修やセミナー、勉強会などは、参加した後、そこで学んだことを実行するということに結びつけることが大切だと思っています。

具体的な行動につながらない学びは価値がない、と思っています。

なので、私は、この勉強会の学びは、参加者が勉強会終了後、「今度これをやってみよう!」と思えるものを一つでも二つでも見つけること、と解釈しました。

そうであれば、Tさんの発表を聞いて、何人かが「今度これをやってみよう!」と思えるような発表にできれば成功と言えるでしょう。

 

ここまで考えて、私はTさんに次のようにアドバイスしました。

「その本の中で、Tさんが印象に残っているメッセージがあると思います。

本のすべての内容を要約するのではなく、そのメッセージだけを材料にしましょう。

そして、そのメッセージが印象に残るということは、Tさんが過去にそのメッセージに関連した体験があるはずです。

その体験を踏まえて、そのメッセージが改めて大切だと思った、という話をすれば、他の人の共感を得られるのではないでしょうか。」

私が、体験談を踏まえた話にしてはどうか、とアドバイスしたのには訳があります。

聞き手が「今度それ、やってみよう!」と思うには、話に共感してもらうことが不可欠です。

そして、共感してもらうには、実際の体験談と本の内容をつないで話をするのがとても有効です。

体験談を交えると、聞き手は話を頭の中で映像化しやすいので、その話を踏まえた自分の行動がイメージしやすいのです。

 

これは、あくまで私の考えであり、こうした質問には決して正解はありません。

Tさんが、なるほど、話のイメージが湧いた、と思ってくれるアドバイスであればよいと思います。

実際、Tさんは私の上の話を聞いて「話のイメージが何となく湧いてきました!」と笑顔で言ってくださいました。

 

日本話し方センターの話し方教室では、受講生がお仕事やイベントなどで直面しているお悩みにも担当講師がご相談に乗っています。

もちろん、追加料金などは頂戴しませんので、受講された際はぜひご相談ください!

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