日本話し方センター社長・横田章剛のブログ

日本話し方センター社長・横田章剛のブログ

2021年11月21日会議を時間通りに終わらせるには?

私は6年前からファシリテーション研修の講師を務めています。ファシリテーションとは、会議やミーティングを効率的かつ効果的に進めるために議論をコントロールしていくスキルです。その研修の中で私が強調してお伝えしていることがあります。それは「日本人は時間にルーズだ」ということです。



「えっ!? 日本人って時間を守ることで有名なんじゃないの?」と思われた方も多いと思います。その通りです。日本の鉄道が時刻表通りに運行されていることなどから、他国の人から日本人は時間に厳格だと思われています。しかし、逆に日本人が時間にルーズだと思われているのも事実なのです。開始時間のことではありません。終了時間なのです。典型は仕事の終了時間です。少し前までは労働基準法の規定を超えた残業やサービス残業は多くの会社でありました。その他の典型例に会議の終了時間があります。午後2時に始まった会議が終了予定の午後4時に終わらず午後6時まで伸びてしまったなどということはどなたも経験があると思います。日本全体の生産性の向上が課題となっている中、会議にやたらと時間を費やすことは大きな問題です。

私はファシリテーション研修で「会議の終了時間は絶対に守りましょう」とお話しています。実際、私はアタックスグループで会議の司会などをよく務めますが、極めて特殊な場合を除いて終了時間は絶対に守ります。時間通りに終えることこそが会議を効率的かつ効果的にするためにもっとも重要なことだからです。

それでは、会議を時間通りに終えるためには何をすればいいのでしょうか? 幾つかポイントがありますが、今日はその中から2つご紹介します。

1つ目は「会議のゴールを決める」ことです。今日の会議はこれができればOKという共通認識を開始前に参加者全員と共有するのです。
会議には幾つかの目的があります。
・結論を出す
・ある程度の方向性を出す
・提案に対する出席者の反応を見る
・一定量のアイデアを出す
・皆が持っている情報を共有する など
これらの目的に応じたゴールを明確にイメージすることがとても大切です。

例えば、働き方改革に関する提言をまとめる会議であれば、その目的は提言を完成、決定することです。しかし通常、一度の会議で決定まで持っていくことは難しいでしょう。従って「今日のゴールは現状の働き方の問題点を挙げて整理するところまでやりましょう」と言って参加者と合意するのです。
この際に予定の会議時間で終えることができるようなゴールを設定することに留意する必要があります。欲張って明らかに予定時間では終わらないようなゴールを設定しても意味がないので注意が必要です。

会議を時間通りに終えるために行うことの2つ目は「会議開始後、時間通りに終了させるように議論を調整する」ことです。
例えば、会議を進めていて終了時間まで残り30分になったとします。その場合「残り30分になりました。問題点もある程度出てきましたので、各問題点を同じようなものはひとくくりにするなどの整理に入りたいと思いますが宜しいですか?」というように議事の進行を調整します。こうした調整をするためには、あらかじめ問題点を列挙する時間、整理する時間の目処をつけておくこと、また常に会議の進行状況を見て終了時間までに何をすべきかを考えることが必要です。

会議を時間通りに終わらせるには事前の準備と始まってからの議論のコントロールの両方が不可欠です。私は上のような準備、調整を可能な限り行って会議を時間通りに終わらせるようにしています。はじめは慣れないかも知れませんが、続けていくうちに徐々にコントロールできるようになってきます。ぜひチャレンジしてみてください!
>横田章剛のブログTOP