2020年2月2日スピーチ原稿の暗記は禁物
★2日間集中コース受講生の話
私たちの話し方教室のメインコースは、3ヶ月かけてじっくり学ぶ『ベーシックコース』と、ベーシックコースの内容を2日間に圧縮して集中的に学ぶ『2日間集中コース』の2つがあります。
昨日と今日、東京神保町教室で2日間集中コースが開催されました。
今回も、参加された皆さんは、とても熱心に講義を聞き、トレーニングに取り組んでくださいました。
さて、今回参加された方の中で、
「スピーチをするときに、用意した原稿が覚えられず、話が飛んでしまう」
という人が何人かいました。
話を聞いてみると、こうした人は、スピーチの全文を書いた原稿をすべて覚えねばならない、と思っていたのです。
★原稿の丸暗記は危険
私たちの話し方教室では、話し方のトレーニングとして、人前で2分間のスピーチを行っています。
2分間のスピーチの場合、その字数は450~500字です。
それを一字一句間違えずに覚える、というのはとても大変なことです。
しかも、苦労して覚えても、スピーチ本番で1つの単語が飛んだだけで立ち往生してしまい、頭が真っ白になってしまいます。
しかも、文章を暗記して話すと、暗記した文章を頭の中で追いかけながら話すので、口調が棒読みになり、感情が伝わりません。
こうした理由から、私たちの話し方教室では、全文を暗記することはお勧めしていません。
では、どうすればいいのでしょうか。
★言いたいことをハッキリさせる
まず、この話で言いたいことを1つに絞って、それをはっきりとイメージすることがとても大切です。
スピーチをする場合、その話で伝えたいことが必ずあるはずです。
朝礼のスピーチ当番のように定期的に話す機会がある場合、順番が回ってくると、適当に考えて話すことが多いのではないでしょうか。
あなたが話している間は、聞いている人の時間を頂戴しています。
できれば、その時間をお互いに有効なものにしたいものです。
そのためには、その話で伝えたいことをクリアにイメージすることがとても大事なのです。
★あらすじを個条書きにする
言いたいことがクリアになったら、次に、話のストーリーを作り、そのあらすじの要点を短い文章で個条書きにします。
話にストーリーがあると、聞いている人は興味を持って聞いてくれます。
そして、それをもとに声を出しながら練習を繰り返します。
イメージとストーリーをはっきりさせた上で声に出して何度も練習すると、言葉が自然に出てくるようになります。
また、次第に声に感情をのせることができるようになるので、人をひきつける話をすることができます。
★セミナーでの成功例
実際、今日のセミナーで、受講生のKさんは、半年前に大変な難産の末に初めてのお子様を出産された奥様と、生まれてきたお子様への感謝の気持ちを話されました。
Kさんは、スピーチの練習時間に全文式の原稿を作成して、それを一生懸命に覚えようとしていました。
上で述べたように、全文を暗記したのでは、頭の中にある原稿を読み上げている感じになるので、気持ちが伝わりにくくなります。
これではせっかくの感動的なお話も台無しです。
なので、Kさんには、文章の暗記はやめて、その時にどういうことが起こったか、どういう気持ちになったのかを頭に思い浮かべ、ストーリーの要点のみを書いて話をするようアドバイスしました。
しかし、アドバイスをしたのが全員の前での発表直前だったので、Kさんが要点を書き終えたのは、発表の5分前でした。
ところが、Kさんは全員の前でつっかえることもなく、落ち着いてスピーチをしたのです。
とてもほとんど練習していないとは思えない、素晴らしいスピーチでした。
終わった後、Kさんに感想を聞いてみると、その時の自分の気持ちや情景がはっきりとイメージできていたので、言葉がスラスラと出てきたとのことでした。
皆さんもスピーチをされる場合は、伝えたいことをイメージし、ストーリーを個条書きにして声に出して練習をしてみてください。
★話し方のトレーニングをしましょう!
日本話し方センターのベーシックコースや2日間集中コースでは、上に述べたように、あがり症を抑えて人前で堂々と話しができるよう、プロの講師が受講者お一人おひとりに応じたご指導をしています。
あがり症は専門家のアドバイスを受けながらトレーニングすることで確実に克服できます。
東京神保町に3ヶ月通える方は、ぜひベーシックコースをご受講ください。
東京から遠方にお住まいの方や短期間でスキルを身につけたい方には2日間集中コースがお勧めです。
どちらの話し方教室も過去の受講生から大変好評をいただいています。
ぜひ「受講者の声」でお確かめください!