日本話し方センター社長・横田章剛のブログ

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2019年9月19日面白くない仕事はない


先日、twitterを見ていたら、大前研一さんの格言に目がとまりました。

「面白い仕事と面白くない仕事というのはない。面白い仕事のやり方と面白くない仕事のやり方があるだけだ。」

なるほど、と思いました。
というのは、少し前に、この格言にピッタリの例を見かけたからです。

ある作業をしている社員がいました。
彼の作業は、封をした薄い透明のビニール袋に一枚ずつ入っているパンフレットを一つひとつ取り出して、もう一種類のパンフレットとともに、新しいビニール袋に入れ直す、というものです。全部で400枚ほどありました。

私も含めて、多くの方は、彼のこの単純な作業を、面白くない仕事に分類してしまうと思います。

でも、私が目にした彼の仕事ぶりは、そういう印象ではありませんでした。

というのは、彼は色々工夫しながら作業に取り組んでいたんです。

まず、パンフレットが入った袋を切るところから幾つかのやり方をトライしていました。

何枚か重ねて一度に袋の口を切ると、結構厚くなるのできちんと切れない、これはダメ。
次に、袋の口にタテに少しはさみを入れてから、一気に破ってみました。が、パンフレットにしわができるのでこれもダメ。
最後に、一枚ずつ袋の口にはさみを入れて、スーっと口全体を開いて取り出す。
時間がかかるように思うけど、これが一番確実で、よさそう。

次に、切った袋からパンフレットを取り出すところを考えながらやっていました。

これも試行錯誤の結果、袋を机に平行にして、そっと袋に手を入れてパンフレットだけを取り出すのが一番早い、という結論になったようです。

その後も、新たなパンフレットとともに新しい袋に詰めるのに、どのやり方が一番早いか、など、考えながら作業を進めていました。

そうした彼の姿を見ていると、決して単純な作業で面白くない、という感じはなく、色々工夫をすることを楽しんでいるように見えました。

上の説明では、どういう作業かわかりにくいかも知れません。

しかし、私が言いたいのは、単純だったり、自分の性格に合わなかったりなどの理由で、とにかく面白くない、と思える仕事でも、仕事の意義をきちんと認識したり、やり方を工夫したりすることで、やりがいのある面白い仕事になるのでは、ということです。

大前研一さんの、上に書いた格言は、面白くない仕事をしていると思った時などに、ぜひ思い出したいものです。
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