日本話し方センター社長・横田章剛のブログ

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2020年6月1日あがりを抑える最も効果的な方法は?

先日、とてもうれしい報告をいただきました。

以前このブログで、アタックスグループの「社長塾」に講師として登壇したことを述べました。

その際に受講いただいた方からのお話でした。

その方は、ある会社の後継者で一昨年から社長に就任されています。

就任以降、経営者の集まりや同業者の会合などで話をする機会が増えたそうですが、人前で話しをすることが大の苦手で、今まで極力避けてきたそうです。

しかし、最近、どうしても避けられない会合ができてしまい、どうしよう、と思った時に、アタックスの社長塾での私の講義を思い出していただいたそうです。

その結果、ご自身でも納得できるスピーチができたとのことでした。

 



 

社長塾には、社長に就任されている方、これから就任される方が参加されています。

経営者や経営者になろうとしている人なら、人前で話すことは得意だろうと想像される方も多いと思います。

しかし、経営者でも案外、人前で話すとあがる、という人は多いのです。

社長塾に参加されている方もほぼすべての人があがる、と仰っていました。

冒頭の社長が例外ではないのです。

 

さて、私がアタックスの社長塾で行ったことは、日本話し方センターの2日間集中セミナーで行っていることの縮約版でした。

事前に用意いただいた2分間の「失敗談」を約90分、声に出して何度も何度も練習してもらったのです。

因みに、話し方センターでは、話をする前の充分な準備として、声に出して時間を計りながら30回以上練習することをお願いしています。

これによって、あがりが抑えられ、「え~」等のことばぐせも少なくなります。

90分集中してやれば、それを体験いただくことは可能なので、やっていただいたのです。

そして、声出し練習の後、一人ひとり会場の前に立って発表してもらいました。

その結果、皆さん、見違えるように堂々と大きな声で話をされました。

冒頭のお話をいただいた社長は、その時の練習を思い出して、会合でのスピーチの前にしっかりと声出し練習をしていただいたのだと思います。

お伝えしたことを覚えていて、いざという時に実践いただいたことに私はとても感激しました。

 

結婚式の来賓の祝辞や友人代表のスピーチ、会社の朝礼でのスピーチをする場合、事前に準備をしない人はいないでしょう。

しかし、その準備は、話の概要を頭でまとめるだけ、または、原稿を書いて文章チェックをするだけにとどまっていることが多いのではないでしょうか。

日本話し方センターでは、残念ながら、そうした準備は準備とは言わない、とお伝えしています。

あがらずに話すには、原稿なしですらすら話しができるまで、声に出して練習するのが最も効果的です。

ほとんどつっかえない、次に何を言うか分からなくなったりしない、というまで何度も声に出して練習するのです。

 

スピーチの準備は暗記ではありません。体に覚えさせるのです。

暗記すると、人前に立った時の緊張でど忘れしてしまいます。

声に出すことで、口や耳など体全体にスピーチを覚えさせることができます。

そうすると、人前に立って緊張しても何とか自分のペースで話しをすることができます。

 

緊急事態宣言が解除されて、今後、人前で話す機会も徐々に増えてくると思います。

その際に、人前であがるという方は、とにかく声に出して30回以上、練習してみてください。

必ず以前とは違う感覚でお話しができるはずです。
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