日本話し方センター社長・横田章剛のブログ

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2019年11月22日イメージできる話をする




 

昨日、11月木曜教室がスタートしました。受講生の皆さん、とても熱心に講義を聞いてくださり、ご見学の方4名も加わったグループ会話も大いに盛り上がりました。

楽しい雰囲気の教室になりました。今後がとても楽しみです。

 

私たちの教室では、話す態度、声の出し方、話の組み立て方、抑揚のつけ方、話に表れる心の持ち方など、話し方全般についてお伝えし、それを実習で実践してもらっています。

話し方の上達は、自転車に乗れるようになったり、泳げるようになったりするのと同じで、ある種、身体に覚えさせるトレーニングが必要です。

それには、少なくとも3ヶ月程度は必要だと私たちは考えています。

(2日間集中セミナーでも話し方はガラッと変わりますが、それをご自身で習慣にしていただくことが必要です。)

教室では、このような目的で2分間のスピーチ実習を行っています。

 

受講生が話されるスピーチを聞いていると、初めのうちは、表面的な事実を中心に話される方が多いです。

例えば、失敗談というテーマならこんな感じです。

「お酒を飲み過ぎて記憶を失い、カバンをなくしてしまった。駅に問い合わせたところ、誰かが拾って駅に届けてくれていた。ホッとした。」

こうした話は、残念ながら、今一つ面白みに欠けますし、聞き手の印象にも残りません。

なので、教室で受講生が上のような話をされた場合、講師はこういう質問をします。

「お酒をどれくらい飲みましたか?」

「何時頃まで飲んでいたのですか?」

「カバンには何が入っていたのですか?」

「カバンがないと気がついたとき、どう思いましたか?」

「駅に問い合わせる時、どんな気持ちでしたか?」

「見つかった時、心の中でどう思いましたか?」

「これからどうしようと思っていますか?」

そして、受講生が答えたことを話に盛り込んでください、とアドバイスします。

 

話で大切なことは、その話を聞いた人の頭の中にイメージが浮かぶように話す、ということです。

人は頭の中でイメージを作ることで初めて理解ができるのです。

イメージを持ってもらうためには、具体的に話すことと、思いや考えを話すことが重要です。

先に紹介した講師の質問は、この具体性と思いを掘り起こすために行ったものです。

ウィスキーをボトル半分くらい飲んだ、と聞けば、ああ、それは結構飲んだなぁ、とイメージが湧きます。

また、カバンがなくなった時、「うわぁ、どうしよう!財布もスマホも会社の大切な書類も入っていたのに!ああ、どうしよう!どうしよう!」

とその時の感情を話せば、聞き手もより共感できます。

 

イメージできるように話すことは、スピーチだけでなく、ビジネストークでもとても重要です。

上司への報告、お客様への説明などでも、具体的に話をしないと相手はイメージできません。

また、思いや考えを話に入れることで、相手はより強いイメージを持つことができます。

 

皆さんも、相手の頭の中にイメージをつくる話し方を意識してみてください。
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