日本話し方センター社長・横田章剛のブログ

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2019年3月15日気持ちがこもった話はすごい!

今日は、障がい者の就労支援をしているNPO、FDAの年次総会に出席してきました。

FDAは、様々な障がい者が社会に適応できるように教育・トレーニングすると共に、就労のあっせんをしています。

日本話し方センターが所属しているアタックスグループでも、このNPOから障がい者の就労訓練生を受け入れていて、その中の1人は、4月から社員として働いてもらう予定なんです。

私はアタックスの社員として、障がい者の仕事のサポートをしています。そのご縁で、今回、総会に出席させてもらいました。



総会では、FDAの活動報告の他、障がい者の保護者の方、トレーニング中の障がい者の方のスピーチもありました。

その中で、ある障がい者の息子を持つお母さんの方の話がとても印象に残りました。

 

その方の息子さんは、小さい頃から人と交わろうとしなかったそうです。

しかし、FDAで教育・就労訓練を受けて、対人恐怖を徐々に克服し、この3月から無事にある会社に就職できたそうです。

お母さんは息子さんが小さい頃から、それはそれはとても息子さんのことを心配し、あらゆる手を尽くされてきたことが、お話を聞いていてよくわかりました。

様々な苦労話をした後、その息子さんがようやく一人前に就職できた、まだ心配はつきないけれど、こんなうれしいことはない、と話されました。

このお母さんは、普通のお母さんですので、失礼ながら、話慣れている人のような上手なお話ではありませんでした。

また、20分を超えるかなり長い話で、通常なら途中で飽きてしまったかも知れません。

でも、私は全く飽きなかったし、それどころか、ずっと話に聞き入っていました。

それは、そのお母さんが、終始、本当に息子さんが就職できてうれしい、という気持ちを全面に出してお話しをされたからです。

それが聴き手の心に響いたのだと思います。

 

話し手は、話し方が上手であれば人は自分の話を聞いてくれる、と思いがちです。

しかし、聞き手からすると、話し慣れていて上手だけど、何だか淡々と話が進んでいるな、と感じる話は、感動することも共感することもできないでしょう。

どんな話でも、この話を聞いてください、という話し手の熱意がなければ、聞かせる話にはならないんですね。

私は、今日、このことを改めてこのお母さんから教えてもらいました。

 

ちなみに、総会の最後に、このお母さんの息子さんが、100人を超える人の前でマイクを持って話しをしてくれました。

対人恐怖などみじんも感じさせない、物怖じしない態度で、自身の成長を実感した喜びにあふれた話し方でした。

息子さんの話にもお母さんに負けないくらいの熱意を感じ、こちらにも、すごく感動しました。

 

日本話し方センターの話し方教室では、講師が参加者お一人おひとりに合ったご指導をしています。

あがり症で人前で話すのが苦手だという人が、受講後、堂々と話をされるようになっています。

ぜひ一度無料体験教室にお越しください。
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