日本話し方センター社長・横田章剛のブログ

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2019年6月10日理由の大切さ

先日、話し方教室で、ある講師がこういう解説をしていました。


「大勢の前で皆さんがスピーチをするとき、聞き手が発する、ある種の圧力を感じるはずです。


この圧力があがり症を引き起こす大きな要因なのです。


そして、この圧力を感じると、皆さんも圧力を発して、聞き手の圧力をはね返そうとします。


でも、あがり症でスピーチが苦手な人は、つい弱気になって、聞き手の圧力に負けてしまいますよね。


聞き手の圧力を跳ね返すには、大きな声で話すのが効果的です。


大きな声を出せば、気持ちも前向きになりますし、その場を支配することもできますよ。」


私はこの講義を聞いていて、なるほど、と思いました。


確かに、大勢の前に出ると、そのたくさんの視線に圧倒される経験は私もあります。


その視線は、確かに「圧力」と表現するに相応しいものです。


この表現、面白いな。


それに、その圧力を跳ね返すには大きな声が必要だ、というのも、イメージしやすいし、わかりやすい。


話すときには大きな声を出せ、というのは簡単ですが、なぜ大きな声を出さねばならないのか、


という理由を話せば、説得力はグンとアップしますね。


この話から気付いたのですが、私ども日本話し方センターでは、お伝えしている話し方のコツや知識のほぼすべてに、


「なぜならば」という理由をつけています。


例えば、一文はなるべく短く話しましょう、ということをお伝えしています。


これは、聞き手は長い話をされると脳のメモリが一杯になってしまって、覚えていられなくなるから、と説明しています。


一文を短くすれば、聞き手の脳は、短い文章を受け入れることができ、その処理が終わると、次の文章を受け入れる用意ができます。


また、席を立ったら椅子を机の中に入れてください、とお願いしています。


これは、話しを聞いてもらうためには、相手に良い印象を持ってもらう必要があるからです。


しっかりとビジネスマナーが守れていると、それだけで信頼感が増し、話しも聞いてもらいやすくなります。


こうした一つひとつの教えに理由の裏付けがあるからこそ、私どもの教室は65年以上続いているのだと思います。


これからも、少しでも受講される方に納得いただけるよう、理由に裏付けられた説明のしかたを工夫していきます!
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