日本話し方センター社長・横田章剛のブログ

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2020年8月18日「語尾を飲む」ことに気をつける

 

★言葉が聞き取れない話し方とは?


オンライン会議をしていて、パソコン越しの話がうまく聞き取れず、「今、何て言ったのかなぁ?」と思うことはありませんか?
以前のブログでも、オンライン会議はリアルの会議のような空気感がないので、出席者は直接的に入ってくる情報により多く依存する、ということを書きました。対面の会議では聞き取りにくい部分を聞き手が空気を読んで「こう言ったんだろうな」と補いながら聞くことができます。しかし、オンライン会議では空気感が希薄な分、発言された内容や表情など直接受け取る情報で判断する割合が多くなります。なので、少しでも聞き取れないと、何が言いたいのか分からない、ということが起こりがちです。
この聞き取れない原因の一つに『語尾を飲む』ということがあります。



 

★『語尾を飲む』とは?


話をしていて、最後の方まで同じ声の大きさで話をせず、語尾が聞こえなくなる話し方を『語尾を飲む』と言います。
「その点は問題ない、と思・・・」
「私はその2つの違いがよくわか・・・」
こんな感じで、言葉の最後の方が小さくなって聞こえなくなる話し方です。そんな話し方する人っているのかな、と思われるかも知れません。確かに、聞こえなくなっても聞き手が勝手にその部分を推測して埋めてしまうので、語尾が消えても気にならない、気付かないことが大半です。しかし、肝心の所で語尾を飲むと「今なんて言ったんだろう?」と聞いている人が疑問に思ってしまいます。そうすると、その言葉を推測することに意識が向いてしまい、話を聞くことができなくなるのです。
私も語尾を飲まないように気をつけていますが、少し油断すると語尾が小さくなることがよくありますので、要注意です。

 

★語尾まで発音しないと・・・


日本語は最後まで聞かないと何が言いたいのか分からない言語です。
上の例の「その点は問題ない、と思・・・」などのように、肯定の場合は「と思います」、否定の場合は「とは思いません」と直前の助詞が違うので区別できるものもあります。
しかし、電車に乗っていて次のような車内アナウンスが流れた場合はどうでしょう。
「この電車は、途中のA駅、B駅、C駅に止まりま・・」
私は、実際に滅多に乗らない路線に乗っていて、このアナウンスを頼りに乗り換えようとしたことがあります。そして、反対方向の電車とすれ違ったために、そのアナウンスの最後が聞き取れず、どこで乗り換えればいいのかわからなくなってドキドキしてしまいました。言葉の最後まではっきりと話すことで、聞き手はしっかりと理解できますし、ストレスを感じることなく話を聞くことができるのです。

 

★語尾まで話す効果


語尾まではっきりと話すことは、次のような効果があります。
まず、言い切ることができます。
以前に「『言い切る』ことを意識する」という記事を書きました。相手の信頼を得る、自分の言っていることを納得してもらうために、言い切ることはとても大切です。言い切るためには、語尾を力強く話すことが必要です。語尾まではっきりと話す習慣を身につけていれば、言い切ることも抵抗なくできるでしょう。

また、語尾まではっきりと話すと、その後に間を取ることができます。
これも「話の『間』を意識する」で書いたことですが、「間」を効果的に使うと非常に聞きやすくなります。話を最後まではっきりと話すと、必然的に息継ぎをせねばなりません。その息継ぎを入れることで自然と「間」が生まれます。

何かとストレスが多いオンライン会議では、語尾まではっきりと話すことで、より効果的なコミュニケーションが可能になります。ぜひ意識なさってください!

 

★話し方の基本を学びましょう!


日本話し方センターのベーシックコースでは、オンラインでも対面でも活用できる話し方のポイントを学び、実際にトレーニングを行ってそのスキルを身につけることができます。その効果は実に多くの受講生に実感いただいています。ぜひ「受講者の声」をご覧ください!

 

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