日本話し方センター社長・横田章剛のブログ

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2020年9月7日「上手ですね」だけではほめことばにならない

先週土曜日、ベーシックコース6月土曜教室の修了式がありました。

ベーシックコースでは、最終回となる12回目に受講生がこの教室で学んで得たことをスピーチします。

私はいつもそのスピーチを聞かせていただいて、感想を受講生全員の前でお話しています。

今回、私がスピーチを聞かせていただいた感想は、「皆さん、上手だなぁ。」というものでした。

しかし、それと同時に気付いたのです。

「上手ですね。」と言われた人はどう思うだろうか?

嬉しいと思うかも知れないが、「どこが?」や「なぜそう思ったの?」という疑問が浮かぶのではないだろうか。

そう考えると、「上手ですね。」というのは抽象的な言葉であり、これだけを言ったのではほめたことにならないのでは?

そう思ったのです。



 

なので、私は受講生に次のような話をしました。

「今日の皆さんのスピーチを聞かせていただいて、私は、皆さん、とてもお上手だなぁ、と思いました。

まず、皆さん、とてもハキハキと話をされていましたし、ほとんどの人が間を取っているので、とても聞きやすかったです。

また、落ち着いて、聞き手を一人ひとり見ながら話をされていたので、聞いていてとても安心感がありました。

これは、受講中、声に出してスピーチの練習を何度もされた成果だと思います。

練習をしないと、ここまでのレベルの話はなかなかできません。

さらに話の内容が実際にご自身が行動を変えた、チャレンジした、というものでしたので、とても説得力がありました。

実際に体験し、その成果に納得した話は、話していてもすごく気持ちが乗るものです。

それが聞き手に素直に伝わります。

皆さんは、今日、とても気持ちを乗せて話をされていましたね。

以上のことから、私は皆様の話がとてもお上手だなぁ、と思いましたし、聞き応えのある話をしていただいたことに心から感謝しました。」

 

少しくどくなってしまいましたが、私が感じたことをそのままお伝えしました。

 

日本話し方センターの話し方教室のカリキュラムの一つに「ほめことば」があります。

その講義の中で、人をほめる上で重要なことは、具体的なことをその場でほめる、ということを伝えています。

「うまいね~」

「よかったよ!」

「素晴らしい!」

「いいね~」

こうした言葉だけで部下や子供をほめることはよくあると思います。

しかし、せっかくほめるなら、本人がそのほめた行為を再現できるように、具体的にほめた方がいいですね。

「さっきの会議で誰も気付いていない点を指摘してくれたね。おかげでとてもいい議論ができたよ。ありがとう!」

「今日の朝礼のスピーチ、私も反省させられたよ。相手の立場に立って考えないといけないね。ありがとう!」

「さっき道で困っている人に声をかけていたね。あの人、とてもうれしそうだったよ。素晴らしい!」

 

もっとも最近では、ほめる、という行為が上から目線のように取られる場合もあります。

なので、上の例のように感謝のことばを添えるとより伝わりやすくなるでしょう。

 

日本話し方センターの話し方教室では、上手な話し方とともに、「ほめことば」のように人間関係をよくする話し方をとても重視しています。

人間関係をよくする話し方ができるようになりたい、と思われている方はぜひ無料体験にお越しください。
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