苦手な人にこそ話しかけよう
「この書類はこの方法で間違いないんでしょうか?」
「・・・てか、それしかなくない?」
念のために聞いたのに、そんな言い方はないんじゃないかなぁ。
職場に3歳年上の女性の先輩がいます。仕事が早く正確で整理整頓まで得意です。先輩を尊敬していますが、このやりとりがあって以来、なるべく関わらないようにしていました。更衣室で2人だけになった時は黙って素早く着替えてすぐに帰っていました。ある日、また更衣室で先輩と2人だけになった時がありました。
「あぁ、気まずい・・・いや、待てよ。せっかく話し方教室に通って私は自信をつけたんだ。今まで避けてきた先輩ともちゃんと話をしてみよう。まずは日ごろの感謝の気持ちを伝えてみよう」
「お疲れ様です。いつもみんなのために家に帰ってからも雑巾を縫ってくれたりしてありがとうございます」
「ううん、私自分で何でもやらないと気がすまないの。好きでやってることだから気にしないで」
「でも、家の仕事だってあるのに」
「実はね、家事は旦那の方が得意だからほとんどやってもらっているの」
会話をしたことで先輩の家での意外な一面を知ることができました。今まで遠い存在だと思っていた先輩に親しみを感じることができました。
また別の日には
「4時までに金庫室と機械のお金を締め上げてね。田村さんと2人でやるんだから遅れるとかありえないからね」
「はい!急ぎます」
「最近みんな残業が続いていたから今日は早く終わらせて帰ろうね」
言い方は少しきついですが、先輩はいつもみんなのことを考えていたのでした。その人柄も会話をするようになってから段々とわかってきました。
人間関係において関わりたくないなぁ、と思う人はとは距離を置きがちです。しかし、あえて話しかけてその人のことを深く知ると苦手意識はなっていきます。私はこれからも苦手な人にも話しかけて苦手な人を減らしていきます。